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安全面にも適している|癌は放射線治療で退治しよう

殺し屋NK細胞を徹底強化

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NK細胞が弱体化している

健康な人の体内でも、毎日何千個というがん細胞が誕生していると言われています。それほど遺伝子のコピーミスは起こりやすいのです。健康体であれば免疫細胞が体内を常時パトロールしていますから、がん細胞は見つかり次第排除されます。そのため通常はがんを発症しないのです。がん発症に至ったということは、そうしたがん細胞が免疫細胞の攻撃をかわしてきた証拠でもあります。重いストレスを受けたり生活習慣が乱れたりすると免疫力が低下し、免疫細胞も弱体化してしまいます。免疫力の低下は感染症などさまざまな病気の原因となりますが、がんもまた例外ではありません。初期攻撃をかわして大量増殖に成功したがん細胞は、もはや免疫細胞の手に負えなくなるのです。そのようにして発症したがんが検査で発見され、たいていは手術で大雑把に切除されます。一方では検査に引っかからない小さながん細胞が必ず残るものです。免疫細胞が弱体化しているとそれらの後始末が不十分となり、がんの再発につながります。実際にがん患者の体内では、がん細胞攻撃に優れるリンパ球のNK細胞が減少しているものです。再発を防ぐにはこのNK細胞を徹底的に強化することが欠かせません。

NK細胞培養技術の向上

NK細胞強化への道も決して平坦ではありませんでした。白血球のうち約6割は好中球など顆粒球が占めており、残り3割ほどがリンパ球です。リンパ球の中でも大半はT細胞とB細胞で、最も攻撃力の高いNK細胞は20%程度に過ぎません。もともと数が多くない上に、NK細胞は体外に取り出して培養するのが難しい面もありました。近年になってNK細胞の大量培養に成功し、活性化した状態でがん患者の体内に戻すことが可能となったのです。こうして確立したNK療法は、がん治療の新しい時代を切り拓きつつあります。NK療法を導入する医療機関も増えており、すでに臨床研究の段階はクリアしています。NK療法による副作用は一時的な発熱が見られる程度ですから、抗がん剤治療と比較して負担の軽い治療法です。獲得免疫系のT細胞を使った免疫療法と比較しても、自然免疫を使ったNK療法は即効性が高いと言えます。がん治療は時間との勝負になりますから、がん細胞の認識力に優れるNK細胞の力は欠かせません。天性の殺し屋とも称えられるNK細胞は、がん再発予防の切り札となります。NK療法が普及すれば、手術や抗がん剤に頼っていたがん治療も大きく変わるのです。